2022年マンガの総決算!マンガファンが本音で選ぶ、今年のすごいマンガランキング決定版です。
オトコ編共にヒューマンドラマの作品が多いように感じられます。では、『オンナ編』の1位から10位をご紹介します。
目次
- 1 『オンナ編』TOP10
- 1.1 『天幕のジャードゥーガル -』 トマトスープ(秋田書店)
- 1.2 『ジーンブライド』 高野ひと深(祥伝社) 全2巻
- 1.3 『まじめな会社員』 冬野梅子(講談社) 全4巻
- 1.4 『女の子がいる場所は』 やまじえびね(KADOKAWA)
- 1.5 『星旅少年』 坂月さかな(パイインターナショナル)
- 1.6 『海が走るエンドロール』 たらちねジョン(秋田書店) 全2巻
- 1.7 『ブスなんて言わないで』 とあるアラ子(講談社)
- 1.8 『太陽よりも眩しい星』 河原和音(集英社)
- 1.9 『多聞くん今どっち!?』 師走ゆき(白泉社)
- 1.10 『わたしたちは無痛恋愛がしたい ~鍵垢女子と星屑男子とフェミおじさん~』 瀧波ユカリ(講談社)
『オンナ編』TOP10
『天幕のジャードゥーガル -』 トマトスープ(秋田書店)
歴史
『天幕のジャードゥーガル』
©トマトスープ/秋田書店
あらすじ
後宮では賢さこそが美しさ。13世紀、地上最強の大帝国「モンゴル帝国」の捕虜となり、後宮に仕えることになった女・ファーティマは、当時世界最高レベルの医療技術や科学知識を誇るイランの出身。その知識と知恵を持ち、自分の才能を発揮できる世界を求めていたファーティマは、第2代皇帝・オゴタイの第6夫人でモンゴル帝国に複雑な思いを抱く女・ドレゲネと出会い、そして……!?
大帝国を揺るがす女ふたりのモンゴル後宮譚!
西暦1200年代イラン、奴隷が売り買いされる時代。
たとえ奴隷だろうと知を求めることはイスラム教徒のつとめとしてすすめられるところでした。
優しい主人の元での平和で温かな生活を送りながら、知識を身につけていく彼女を襲う出来事…
歴史ものですが、わかりやすくまとめられているストーリーで気負わず読める作品となっています。
その時代の女性がどのように生きていたのかがわかり、どんどん引き込まれていきます。
『ジーンブライド』 高野ひと深(祥伝社) 全2巻
ヒューマンドラマ
『ジーンブライド』
©高野ひと深/祥伝社
あらすじ
[私の少年]の高野ひと深最新作!
ヤマシタトモコ氏推薦!!!
【一緒に戦おう。クソみたいな世界でもがく私たちのクソみたいな毎日を知っている「私たち」がこの中にいる。】
女であるゆえの生きづらさに、日々新鮮に絶望する諫早依知(30)。
仕事相手からのセクハラにも、変質者との遭遇にも飽き飽きだ。
そんな彼女の元へ、元同級生の正木蒔人が突然会いに来た。
15年前の出来事の礼に来たと言う彼を依知は警戒するが、独特なペースで生きる蒔人は依知を全くおびやかさない。
依知の護身のための奇抜な解決策を蒔人が提案したり、イレギュラーな事態に弱い蒔人の探しものを依知が手伝ったり。
凸凹なふたりは互いに助け合う仲になっていき……?
これは、現実を生き抜くあなたの手を取る物語。『私の少年』の著者が放つ、世界に風穴を開ける第1巻!
ストーリーは、女であるが故、様々な不満を抱く主人公から始まります。
そこに同級生の正木が現れ、15年前の出来事を話すうちに、主人公と友人に起こった出来事がふと頭をよぎる。
主人公の過去を追っていくミステリーに展開し、先が気になる作品です。
『まじめな会社員』 冬野梅子(講談社) 全4巻
ヒューマンドラマ
『まじめな会社員』
©冬野梅子/講談社
あらすじ
コロナ禍における、新種の孤独と人生のたのしみを、「普通の人でいいのに!」で大論争を巻き起こした新人・冬野梅子が描き切る!
菊池あみ子、30歳。契約社員。彼氏は5年いない。いろんな生き方が提示される時代とはいえ、結婚せずにいる自分へ向けられる世間の厳しい目を、勝手に意識せずにはいられない。それでもコツコツと自分なりに築いてきた人間関係が、コロナで急に失われたら…!?
対人関係の距離感に戸惑う、でも人には悪く思われたくない、そんな主人公がいろんなことを呟きながらも生きていく姿に共感ができる人もいれば、共感できない人もいるかもしれません。
もっと、こうすればいいのに、こういう風に考え方を変えてみれば?
そんな風に伝えたくなる作品ですが、主人公は主人公なりに生きてきた経験知の中から必死に求めているものに導こうともがいているのかもしれません。
なんだかとっても見守りたくなる作品です。
『女の子がいる場所は』 やまじえびね(KADOKAWA)
ヒューマンドラマ
『女の子がいる場所は』
©やまじえびね/KADOKAWA
あらすじ
「ここに描かれている遠い国の少女と私たちは一緒だ。そう、私たちは差別される側。認めるのはつらいけど、事実を知れば知るほど『ぶち破ってやるぞ!』と力が湧いてくる」
山内マリコ(作家)
「こんな世界が情けなくてやるせないけど知らないままの方がよっぽど恥ずかしいからページをめくる手を止めない冷笑的な態度に負けたりするもんか生まれついた性別で育った場所で奪われる夢があるなんて絶対に間違ってる」
宇垣美里(フリーアナウンサー)
「わたしたちは結婚しないと生きていけないの?」
サウジアラビアに暮らす10歳の少女サルマ。同級生の姉は、顔も見たことのない8つも年上の男性と結婚する。外ではヴェールが必要で、大好きだったサッカーはもうできない。
モロッコ、インド、アフガニスタン、そして日本……国も宗教も文化も違う少女たちに降りかかる「女の子だから」を見つめる作品集。
日本ですら、まだ女性が男性と対等に生きるにはまだ難しい社会。
様々な国や文化の中での「女」「男」という性別による壁を感じられる本作品は、今すぐ何かが変わらなくても、一人ひとりが何かを発信することで、何年後、何十年後には何かが変わっているかもしれない。そうなっていてほしいと、事実を受け止めながらも、少しでも女性が生きやすい世の中になることを目指したいと考えさせられる作品です。
『星旅少年』 坂月さかな(パイインターナショナル)
SFファンタジー
『星旅少年』
©坂月さかな/パイインターナショナル
あらすじ
ある宇宙、人は「トビアスの木」の毒によって「覚めない眠り」につきはじめていた。そして、ほとんどの住民が眠ってしまった星は「まどろみの星」と呼ばれた。これは、「まどろみの星」を訪ね、残された文化を記録・保存する、プラネタリウム・ゴースト・トラベル社(通称PGT社) 星旅人・登録ナンバー303の物語。訪れた星々でPGT社で、303が交流する人やモノ、出会いと別れ、そして「トビアスの木」と自身の謎……。
静かな世界観が印象的な作品で、読み終わっても余韻を楽しめます。また、優しいタッチの作画は絵本のようにめくりながら、ストーリーを思い出して浸れます。
ぜひ、ゆっくりと過ごせる日に読んでいただきたい作品です。
『海が走るエンドロール』 たらちねジョン(秋田書店) 全2巻
ヒューマンドラマ
『海が走るエンドロール』
©たらちねジョン/秋田書店
あらすじ
65歳を過ぎ夫と死別し、数十年ぶりに映画館を訪れたうみ子。そこには、人生を変える衝撃的な出来事が待っていた。海(カイ)という映像専攻の美大生に出会い、うみ子は気づく。自分は「映画が撮りたい側」の人間なのだと……。心を騒ぎ立てる波に誘われ、65歳、映画の海へとダイブする!!
伴侶をなくし、ひとりの時間を過ごす日々、ふと感じる想い。そんな時に美大生・海との出会で人生に新しい息吹を得る。
年齢は関係ないと思うのですが、新しいことを始めることに踏み出す勇気、主人公・うみ子と海のセリフにゾクゾク・ゾワゾワが止まりません。自分自身が失いかけている何かに気づき、走り出したくなる作品です。
『ブスなんて言わないで』 とあるアラ子(講談社)
ヒューマンドラマ
『ブスなんて言わないで』
©とあるアラ子/講談社
あらすじ
ルッキズムは、彼女たちがぶっ潰す――!
『美人が婚活してみたら』の著者が描く、反ルッキズム×シスターフッドの物語!
「ブス」と言われ、学生時代にいじめられていた知子。大人になった彼女は、自分をいじめていた“美人”の同級生・梨花が美容家として成功していることを知り、怒りに震える。知子は、梨花への復讐を決意する――。
連載開始直後からSNSで大反響の話題作、待望の第1巻!
「look(外見、容姿)+ism(主義)」がテーマの作品
それは「ブス」という外見否定だけでなく、「美人」という外見肯定も当てはまると思う。
顔がいいからというだけで、男に媚を売っている、女を売りにしてるなどと中身を見ずに決めつけることも当てはまることだと思います。
これは女性だけではなく、男性にも当てはまることですよね。
ルッキズムに対してまっさらな気持ちで読んで、感じてみませんか。
『太陽よりも眩しい星』 河原和音(集英社)
ラブストーリー / 学園
『太陽よりも眩しい星』
©河原和音/集英社
あらすじ
離れても君は、ずっと輝いてる――…。きらめく初恋ストーリー!
岩田朔英(いわたさえ)は平均より頑丈な女子。か弱くて助けていた神城光輝に片想いしていたけど、背が伸びて人気者になった彼はすっかり遠い存在に。そんな中、中学最後の体育祭で一緒になり、初恋は動き出して…?
思わせぶりな光輝に心がそわそわ。読んでいるこちらがもどかしくなってします。
あの初恋の甘酸っぱい気持ちが溢れだす胸キュン&ソワソワ作品です。
引っ込み思案な朔英が勇気を少しずつもって行動していく姿は応援したくなります。
『多聞くん今どっち!?』 師走ゆき(白泉社)
ラブコメ
『多聞くん今どっち!?』
©師走ゆき/白泉社
あらすじ
木下うたげは大人気アイドル・F/ACE(フェイス)の福原多聞くんを推している高校生。ある日バイトで向かった先が、なんと多聞くんの家だった!
しかも、多聞くんの本性はセクシー&ワイルドなアイドル姿とは真逆の、ジメジメ陰キャで…?
「多聞君は神!!」「復唱して下さい」どんな姿であれ、多聞くんは多聞くん。自己肯定感が低い彼を、全力でサポートすることに!
しかし、ジメジメの多聞くんにもきゅんとしてしまい…?オンオフ激しめ×新しすぎる推し活ラブコメ、開幕!
王道のラブコメ、一緒にキュンキュンしてしまうマンガです。
オンオフ激しめで引き気味になってしまいますが、推し(好きな人)のダメな一面がまた可愛く萌えてしまう気持ちわかります。
多聞くんの陰キャながらのまじめで真っ直ぐな想いに読みながらキュン萌えしちゃってください♪
『わたしたちは無痛恋愛がしたい ~鍵垢女子と星屑男子とフェミおじさん~』 瀧波ユカリ(講談社)
ラブストーリー
『わたしたちは無痛恋愛がしたい ~鍵垢女子と星屑男子とフェミおじさん~』
©瀧波ユカリ/講談社
あらすじ
『臨死!! 江古田ちゃん』『モトカレマニア』の瀧波ユカリが放つ、令和の世の中サヴァイブストーリー! この世界で「痛みのない人間関係」なんて築けるのか――? 鍵をかけたSNS=鍵垢でしか本音を吐露できない主人公・みなみ。”星屑男子”(顔のいいクズ)に雑に扱われたり、街中で人にわざとぶつかられたり、「女」の役割を押し付けられたり……この世界って何なの? と思いながら、SNSの鍵垢に本音を投稿する日々。そんな彼女の前に一人の年上男性――”フェミおじさん”が現れる!
人との距離だったり、社会への不満だったり、そんなことを鍵垢につぶやいて発散する主人公にわかる~と伝えたくなります。
そんな時に現れたフェミおじさん。何?なに、そのポーズと思いながらも、同年代にはない配慮の仕方に萌えが止まらない。
こんなフェミおじさんがいるなら出会ってみたいぞと思い、街中できょろきょろしてしまうかも。見ているだけでも癒されます。